不動産投資に始めるのにベストなタイミングはあるのでしょうか。
自分の状況や銀行の融資姿勢、物件の価格などは年々変化していくため、すべてがピタリと良い条件で揃うことはなかなか難しいでしょう。
この記事では、初めて不動産投資をする人が、いつどのように始めるべきかについて解説します。
不動産投資を有利に始められるタイミング
自分の状況が整っているタイミング
- 属性が良く、お金を借りる力がある時
- 自己資金がまとまった額になっている時
- 不動産投資に注ぐ時間と精神力を確保できる時
勤続3年以上で、収入が安定していて、自己資金がまとまった額になった時は、融資が受けやすいので有利に不動産投資が始められます。
会社を辞める可能性があるなら、会社員でいるうちに融資を受けて不動産投資を始めることをおすすめします。
もちろんその場合は家賃収入からローンと経費が支払える返済計画にして、給料からの持ち出しは一切ないようにします。
物件を探す時、特に1棟目を購入するまでは、多くの物件を見て感覚を養うべきですし、買う・買わないを判断するのは慣れないこともあり毎回精神力を使います。
不動産投資にコミットできない時は、始めるタイミングではありません。
物件の購入に有利な市場タイミング
- 物件の価格が下がっている(利回りが高い)時
- 金融機関が融資に積極的な時
- 金利が低い時
不動産市場は緩やかに変動します。
2021年現在は物件価格が高い(利回りが低い)ですが、いつ物件価格が下がり始めるのか、プロでも予測が難しいでしょう。
コロナが始まった頃は不動産価格が下がるという予測もありましたが、結局ほとんど影響はありませんでした。
物件価格が下がってからと考えていると、スタートさせる時期の見通しが立たず、タイミングを見失しなう可能性も出てくるでしょう。
金融機関が融資に積極的な時期は確かに融資を受けやすいのですが、購入できる人が多くなると不動産価格も高くなります。
現在は超低金利時代です。
属性・金融機関・物件によって適用される金利は変わりますが、高かった時期と比べて有利なタイミングと言えます。
不動産投資をスタートさせるもっとも大切な要素は「不動産投資をやる!」という決意
属性も自己資金額も申し分なく、不動産市場が絶好の買い場だったとしても、不動産投資をスタートさせる決意がなければ活かせません。
決意できると行動が早くなり、ハードルがあっても乗り越えていけるマインドになるので、新たなことを始めるには絶好のタイミングです。
決意が固まってないうちはどれだけ素晴らしい物件を見ても、不安を乗り越えて購入することはできないでしょう。
一旦やる気に火がついたとしても、何年も同じテンションを持続させることは難しいものです。
長期で探し続けるうち、心が折れたり冷めてしまったりすることもあります。
決意してから集中的に探して、おおむね1年以内に1棟目を取得できるといいでしょう。
決意できないうちは、できない理由を探して結論を先延ばしにしてしまう
新しいことを始める、ましてや大きなお金が動くことには誰しも慎重になるでしょう。
決断できない時の、よくある”できない理由”を挙げてみます。
理由①:もっと物件価格が下がってから
価格が下がるイコール、融資が厳しくなっているということです。
融資が厳しいと買える人が少なくなるので、価格が下がります。
初めて買う人にとっては、実績がないため融資の審査がさらに厳しくなるでしょう。
物件価格が下がったら誰でもお得に買えるといった単純な話ではありません。
属性が高く自己資金が多い人は、融資が厳しくても物件が買える可能性が高まります。
価格がいつ、どこまで下がるのかは、不動産のプロであっても正確に判断することは難しいでしょう。
理由②:もっと勉強してから
どれだけ知識を深めても物件は買えません。
手順は以下の3つです。
- いつまでにいくらの収入を得たいのか目標を決める
- 自分の性格と資産とお金を借りる力から、どんな投資手法が合っているかを調べる
- 物件の調査方法、収支の計算方法の知識を仕入れる
本を5〜6冊読めば理解できる内容でしょう。
あとは走りながら、さらに学び続ければ大丈夫です。
理由③:家族や友人が反対するから
それは本当に正しいアドバイスなのでしょうか。
反対するのは不動産投資をしたことがない人たちです。
不動産投資で失敗したという人が反対するなら、どのような投資をしたのか聞いてみてください。
失敗する人は物件についてよく調べず、営業をかけてきた人物の言葉だけを信じて投資を決めた人がほとんどです。
不動産投資の本を5冊ほど読んだなら、なぜ失敗したのかはすぐ理解できるでしょう。
理由④:私、そんなに賢くないから
不動産投資に必要なものは、行動力と小学校高学年程度の計算力です。
立派な学歴や輝かしい職歴は必要ありません。
理由⑤:危険だから
一般的に危険とされる理由はいくつかありますが、対策は難しくはありません。
当たり前のことを粛々とやるだけです。
人口が減少しているから
エリアによっては世帯数は増えています。
人口減の影響は全国一律ではないので、影響の少ないエリアを選んで投資しましょう。
空室になるのでは
物件周辺についてよく調べて、実際に現地を見て需要を見極めましょう。
近隣の不動産会社にヒアリングすることも有効です。
家賃滞納されると困る
家賃保証会社の審査に通った人のみ入居してもらいましょう。
ローンが払えなくなったら
空室や金利の上昇に十分に耐えられる返済計画にしましょう。
購入後に物件価格が下がるのでは
物件価格が下がると必ず損をするわけではありません。
そもそも、数年で市場全体が大きな値下がりとなるケースは稀でしょう。
物件を保有している間は返済が進むことで残債が減り、家賃収入からキャッシュフローが積み上がります。
最初に適正な価格で購入していれば、5年以上保有している間に価格が下がったとしても、売却で利益確定した時に収支がマイナスになることは考えにくいでしょう。
地震や洪水で被害を受けたら
ハザードマップを確認して、危険な立地であれば購入を避けましょう。
営業に騙されるのでは
わざわざ営業をかけられる物件は注意しましょう。
いい物件は営業をかけずとも売れていきます。
購入にあたっては、必ず自分でも調べた上で判断しましょう。
なぜタイミングを先延ばしにしない方がいいのか
安くなるタイミングを伺っていると、様子見をしている期間の利益が生まれません。
物件を購入したら、その月から残債が減り始め、キャッシュフローが積み上がっていきます。
「残債が減る」ということは、「含み益が生まれる」ことです。
「キャッシュフローが積み上がる」ということは、「手元のキャッシュが多くなる」ことです。
購入を先延ばしにすると、含み益もキャッシュが貯まることも先延ばしになります。
もし3年待って若干安く買えたとしても、3年間に得られた含み益とキャッシュの合計以上に物件価格が下落することは考えにくいでしょう。
5000万円、利回り8.5%のアパート購入例
4500万の融資を受けて期間20年、金利1.5%で返済した場合。
3年後、約800万円残債が減ります。
家賃収入は月35.4万、返済は月19.3万、キャッシュフローは16万円。
そこから運営経費9万を差し引いて、毎月7万円を貯金したとします。
3年後、手元のキャッシュは252万円増えます。
数百万円の含み益と252万円のキャッシュをフイにするのは、もったいない話です。
3年後に5000万のアパートが4000万に値下がりするなら待ってもいいですが、それだけ値が下がる可能性はほとんど無いといっていいでしょう。
早くスタートさせると賃貸運営の実績ができるので、次の融資を受ける場合に審査のプラス材料になる、というメリットもあります。
金融機関が融資に前向きな時期・消極的な時期、利回りが高い時期・低い時期、どのタイミングで不動産投資を始めても、その時々のやり方があります。
いずれの場合もキャッシュフローを確保できるように購入すると、長期で保有しやすく結果的に失敗しにくくなります。
不動産購入を検討する時のこころの持ちよう
完璧な物件を探し出そうとしないでください。
割安で魅力的な物件は競争率高く、簡単には購入できません。
ましてや、初心者にまで情報が回ってくることはないでしょう。
ほどほどに合格ラインの物件を淡々と買い進めてください。
後になって振り返ると、いつの間にか資産が増えて大きくなっていることに気づきます。
全ての物件にはかならずポジティブな要素とネガティブな要素があります。
収支をシミュレーションして物件調査をしっかり行ったうえで購入してもよいと感じたなら、あとは物件のポジティブな要素に目を向けるようにして自分の気持ちをプラスに持っていきましょう。
ネガティブな要素ばかりにフォーカスすると、どんな物件も不安で買えなくなります。
どうしても恐怖心が拭えなかったら、無理に買う必要はありません。
不動産投資以外の資産運用に目を向けましょう。
まとめ
どれだけ属性が高く、自己資金を多く持っていて、購入に有利な不動産市場であっても、不動産投資をはじめる決意なしには、不安を乗り越えて物件を購入することはできないでしょう。
「不動産投資をやると決意した時」が不動産投資を始めるべきタイミングです。
決意ができないうちは、できない理由を探して結論を先延ばしにしてしまいます。
先延ばしにすると、その間に得られたはずの利益が得られなくなります。
不動産投資は大儲けしようと思わずに、ほどほどに合格ラインの物件を淡々と買い進めましょう。
年月が経ったあとで振り返ると、いつの間にか資産が増えて大きくなっていることに気づくでしょう。